会社の従業員から残業代を請求させるトラブルが急増しております。
ある日突然、退職した元従業員から残業代を請求をする内容証明が届いたというケースもあります。
残業代を含む手当(固定残業代や役職手当)として支払っていたのに、見解の違いにより請求された!
休日に勝手に出勤して、休日出勤代を要求された!
など、残業代によるトラブルが発生していませんか?
会社の従業員(元従業員)から残業代を請求される、というケースが増えている背景には、適正な残業代が支払われていない、いわゆる「サービス残業」が社会問題化したことがあります。
労働者の間で「未払い残業代を請求すべきだ」という意識が高まっています。
従業員を雇用している以上、こうした請求を受ける可能性はどのような会社にもあるでしょう。
残業代トラブルを抱えお悩みの経営者の方・人事担当者の方にトラブル解決法をアドバイスいたします。
こんなときどうすれば?残業代トラブル解決のためのポイント
突然、弁護士事務所から未払い残業代を請求する内容証明が郵送で届きました。
内容を確認すると、以前勤めていた従業員Aさんに対し、毎日残業していたのに残業代を適正に支払われていなかったとのこと。
Aさんに対し、過去2年分の残業代300万円を支払う様に記載されていました。
step
1
請求された残業代の金額が正当か確認する
請求してきた未払い残業代の金額が正しいとは限りません。
確認の為、再度、出勤簿・タイムカード・業務日報・給料明細を調べましょう。
改めて計算した結果、請求金額を減額できる場合もあります。
再計算の際のポイント!
未払い残業代の請求額が正しい金額ではない場合もあります。
会社と請求者の解釈の違いにより計算方法が変わることもあります。
必ず、再計算をして正確な残業代の金額を出しましょう!!
再計算により未払い残業代を減額できる場合もあります。
step
2
回答書を作成する
改めて計算し残業代の金額が確定したら、回答書を作成しましょう。
請求額と異なる金額であった場合は、その根拠と理由をしっかりと明記します。
相手方に理解して頂くためにも、計算方法や規定などを添付することをお勧めします。
そうすることで相手方の了承を得て請求額を減額できる場合もあります。
重要なのは誠意ある対応で早期に解決することです。
step
3
話し合いによる和解
作成した回答書を相手方に郵送して内容を確認していただきます。
そして、きちんと対面で話し合いの場を設け、お互いに理解し、和解することが一番の解決策になります。
きちんと対応することにより誠意をが感じ取ってもらうことで、会社への不信感がなくなります。
step
4
合意書を取り代わす
話し合いの結果、和解し、未払い残業代の金額に了承を得られたら、支払日時や支払方法などを取り決めます。
その内容は合意書として文章にします。
合意書は、今後、争わないという確約になるものです。
残業代請求トラブルの解決に向けて
未払い残業を請求された時、まず行うことは、請求された金額の正当性を確認です。
再計算により請求額の減額ができる場合もあります。
重要なのは、相手の請求を無視したり、誠実に対応しないことです。
もし、ことがこじれて裁判になってしまった場合、相手方は「付加金」を残業代に上乗せして請求することができます。
そうなってしまうと、金額も2倍になり、場合によっては会社の資金繰りがひっ迫し、最悪倒産になってしまう恐れもあります。
会社として誠意を持った対応をすることにより、裁判にな発展することなくスムーズな解決を図りましょう。
残業代のトラブルを予防する為の就業規則見直しのコツ
変形労働時間制等の導入
業務の繁閑に応じた労働時間を設定し、残業時間を減らせる。
残業の適用除外者の適正化
管理職の定義の明確化、また残業代に相当する手当の支給により残業代を減らせる。
残業を申告制にする
申告制にすることで、無駄な残業時間を減らすことができる。
これらの内容を就業規則に規定したり、雇用契約書等に明記することで、残業に対する定義が明確になり、従業員との解釈の相違を防ぐことができます。
きちんと明確に定めることで会社への不信感がなくなります。
従業員にとってもよりよい職場環境を作り上げることができるでしょう。
経営者と従業員、会社が一丸となって会社の発展を目指すために、社外人事部の社会保険労務士が全力でサポートします。